淋菌感染症はかつて淋病と呼ばれ、梅毒と共に性病の代名詞として患者の多かった性感染症(性病)です。

日本では戦後間もない時代には感染者が20万人もいたのです。

1.淋菌感染症の概要

淋菌感染症は現在でも若い男性を中心に多くの感染者がいます。クラミジア感染症と同様に、オーラルセックスの普及と共に喉への感染、喉からの感染が増えています。

病原体はナイセリア・ゴノローエ(Neisseria gonorrhoeae )と言う細菌で淋菌とも呼ばれます。

細菌そのものはとても弱くて、感染ルートはほぼ性行為だけです。

しかし、性行為1回あたりの感染確率は30%から50%と言われており、性行為での感染力は強い細菌です。

この淋菌が感染すると、男性では尿道炎、女性では子宮頸管炎などを発症します。

自覚症状が出ないこともあるのですが、放置していると重症化します。自然に治ることはありませんから、必ず検査を受けて治療が必要です。

特に女性の場合には自覚症状が少なく、不妊症や早産、流産の原因にもなりますから、要注意です。

2.淋菌感染症 過去15年間の動向

この淋菌感染症がどの程度広まっているのかは、厚生労働省の定点報告を見ると傾向が分かります。

定点報告では、クラミジア感染症に次いで感染者数が多い性感染症(性病)です。

この定点報告について、少し説明しておきます。現在、国内における性感染症の感染者や患者の動向をつかむため、代表的な6疾患を対象に継続的な調査が行われています。

まず、HIVと梅毒については、全国全ての医療機関(保健所も含む)で感染者、患者が見つかると1週間以内に報告することが法律で義務付けられています。従って、新規の感染者数、患者数が全数分かります。

一方、クラミジア感染症、淋菌感染症、尖圭コンジローマ、性器ヘルペス、この4疾患については定点報告となっています。

これは、全国全ての医療機関が対象ではなく、予め設定された指定医療機関において感染者が見つかったら報告する、と言うものです。指定医療機関は全国におよそ970ヶ所ほどあります。

ですから、この指定医療機関以外で診察してもらった患者は報告に入りません。患者の全数は分からないのです。

国内におけるそれぞれの性感染症の動向、つまり増えているのか、減っているのか、それとも横ばいなのか、その傾向を見極めるのが目的です。

淋菌感染症も定点報告の対象となっているため、過去から現在までの動向を知るデータがあります。

では、厚生労働省のデータから淋菌感染症の動向を見てみましょう。

◇感染者の推移 平成14年(2002年)から平成28年(2016年)までの15年間 定点報告データ使用

淋菌推移
図1.淋菌感染症 年別定点報告データ

このグラフを見ると、2002年、2003年辺りをピークにここ数年は減少傾向に見えます。

ただ、専門医の話ではこのデータだけで本当に今後も減少していくのかどうか、判断はつかないそうです。

医療現場の感覚としては、到底減少傾向にあるとは思えないと言う指摘もあります。

念のためにもう一度繰り返しますが、図1のグラフデータは、定点報告だけの集計データです。

指定医療機関以外で検査したり治療したりした感染者は含まれていません。

従って、いったいどのくらいの淋菌感染症患者がいるのか、全体の人数はこのデータからは分かりません。

このデータから、感染者は男性に多いことが分かります。男性は女性のおよそ4倍もの患者がいるのです。

どうしてこんなに差があるのでしょうか。理由の1つに上げられているのが、男性患者の方が、女性患者に比べるとずっと自覚症状が明らかであるという点です。

つまり、男性は感染するとすぐに痛みや尿の異常で感染したと分かり病院に行くけど、女性は自覚症状が出にくいので自分の感染に気付かず病院に行かない、という訳です。

しかし、淋菌感染症は自然治癒する病気ではないので、女性もいずれは自覚症状が出るまで感染が進むはずです。

男性に患者が多いのはもっと他にも理由があるのかも知れません。

3.淋菌感染症 年令層別動向

では、次に2015年における淋菌感染症患者の、年齢層別比重を見てみましょう。

これも先ほどの年別データと同様、定点報告データからの抜粋です。

◇年齢層別感染者  平成28年(2016年)における年齢層別感染者 定点報告データ使用

淋菌年齢
図2.淋菌感染症 年齢層別定点報告データ

このグラフから分かるように、20代、30代の男性に患者が多くなっています。また、男性より少ないとは言え、女性の場合は20代を中心に感染者がいることが分かります。

また、このグラフの元データになっている定点報告は性器に感染した症例のみであり、喉へ感染した症例は報告されていません。

近年オーラルセックスの普及に伴い、咽頭部(のど)への感染が広まっています。

咽頭部(のど)への感染は男女ともに自覚症状が出にくく、気付かないことが多いそうです。

喉の痛みや腫れは風邪の症状にも似て、余計に淋菌感染とは分かりません。

ファッション系の性風俗で遊んだ経験のあるあなた、オーラルセックスが日常化しているあなたは一度淋菌、クラミジアの咽頭感染検査も受けた方が安全かも知れません。

以上、淋菌感染症(淋病)の概要を説明しました。とにかく、感染したまま放置しておくとかなりやっかいな病気です。

重症化する前に検査を受けましょう。

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